GWあたりで体感した、一足早い真夏の感触はどこへやら。
何とも湿っぽい日々の長々と続く、
何年振りかというほどの記録的、
長っ尻な前線が居座る今年の梅雨で。
「午前中は まだ明るかったのにな。」
授業中は薄陽さえ差してた空を見て、
今日こそはグラウンドを使っての、
シフト練習が始められるかと思ったのにね。
放課後へと近づくにつれ、
どんどんと空が重暗くなり。
掻き集められた雲は湿気を呼んでの、
風も蒸し暑いまま、
いつ滴が落ちて来てもおかしかない状態になっており。
「グラウンドも相当に水吸ってるもんなぁ。」
砂と芝とが入り混じってのとんでもない惨状になりかけで。
なので、たとい今は降らずとも、
せめて1日中ほどは晴れての乾かすのに使いたいほどと来て。
「う〜〜〜。」
大学の部室、窓の桟にまだ少々 寸の短い腕を延べ、
その上へと頬を伏せて、
うーうー・うにゃ〜〜〜っと不満げな声を上げる、
金髪の小悪魔さんへ、
「盛りの猫じゃあんめぇし。」
ややこしい声、出してんじゃねぇよと、
人より微妙に長い指へ合わせた特注のそれ、
新品のグローブの調子を確かめている、
黒髪の総長さんだったりし。
湿度が高い日に届けて来んじゃねぇとかどうとか、
ぶつくさ呟く そのついでのような相槌だったのが、
むかぁっと来たらしき誰か様が、
「〜〜〜〜〜っ。」
「判った判った、俺が悪かった。」
半ダースほどまとめて発注したらしき、
新品のグローブ全部をベンチの上から床の上へと叩き落とし、
さぁてとと手にした缶コーラのプルトップ、
小さな爪にてカシカシと、懸命に開けようと試みる小芝居へ。
買ったばかりでそれはなかろう、
白革にその色をまずは染ますのは勘弁して下さいと、
大きな両手を顔の前で合わせる葉柱であり。
いやぁ、いい呼吸だこと(笑)
上背もあって、お顔もいかつくて。
吊り上がり気味の三白眼は、
腹の据わった威容に相応しい迫力を帯び…と。
ここいらの“族”を、
その存在感で統括しおおせていた伝説の総帥。
それが…たかたか近づいて来てのそのまんま、
長ベンチをまたぐように腰掛けていた彼の腿の片方へ、
乗り上がってのちょこりと座ると、
「わぁった、許してやんぞ♪」
小さな顎あげ、仰のいての大威張りという、
ただ単に見上げてのことか、
それとも精一杯に胸を張っての威厳を主張しておいでか、
どっちにしたってなかなかに可愛らしいご主人様に、
相も変わらず頭が上がらない人なあたり…。
“……まあ、今に始まったことじゃなし。”
他の部員がいてもお構いなしなほど、
すっかりと年季も入ったバカップルだしねと。
それぞれに自分の支度へと
懸命に集中している顔触れたちなのもまた、
今更なお話だったりするもんだから。
“ある意味、忍耐は養われているわよねぇ。”
短気を起こして
相手チームや審判やへ咬みつかないようになったのも、
これのおかげと思やいいさねと、
微妙にしょっぱそうなお顔をしたのは果たして誰か。
立夏も七夕もとうに過ぎての、
そろそろ梅雨も明け頃で。
早いとこ真夏になってほしいぞと、
駄々を捏ねてる過激な仔猫様に振り回されつつも、
今年も快進撃が期待されてる、賊大フリル・ド・リザードで。
早いトコ、本格的な練習が再開できたらいいですねと、
アジサイの茂みの真上、ツバメがさあっと翔っていった。
〜Fine〜 10.07.12.
*何とも散漫な散文ですいません。
昼下がりには晴れ間まで出てたってのに、
晩になるとまたぞろ さあさあと降り出したこちらです。
気温がさほど上がらないのは助かりますが、
他方、湿気が多いのがうんざりです。(わがまま?)
*ところで、これは別のお部屋のネタにも使ったのですが、
今年の高校総体は、沖縄での開催だそうですね。
何かすごい遠いと思ったのは、
そこまでの遠出をしたことがない田舎者だからでしょうね。
九州より南や西へ出たことないです。
(ちなみに北は、今んトコ長野までが北限です。)
高校野球で甲子園への出場が決まった場合も、
応援の方々は結構大変だと聞きますんで、(旅費とか宿泊費とか)
沖縄とか北海道とか、極端な端っこでの開催になった場合は
補助金出さないと不公平なんじゃなかろうかとか思います。
(余計なお世話でしょうか?)
アメフトは今のところ、
インターハイの競技にないので、
ここのお部屋の彼らだと、
アドニスシリーズ以外は関係なかったりしますね。
「…何で無いんだろ。
工作して特別競技として認めさせちゃろうかな。」
「それだけは勘弁してくれ。」
他の国ではいざ知らず、
日本の高温多湿な気候であの装備は、
熱中症で殺して下さいと言わんばかりですものね。(う〜ん)
めーるふぉーむvv

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